インスタ運用代行の費用相場——同じ金額でも中身が違う
インスタ運用代行の費用相場は、公開情報を突き合わせると月3万円から100万円まで開きます。この幅は品質の差ではなく、引き受ける工程の範囲の差です。この記事では相場の一覧を出典つきで示したうえで、見積を比較できる形に揃える3点——月何本か・撮影を含むか・企画は誰がやるか——と、そのまま使える確認質問を書きます。
目次
結論:相場は幅で読む。金額ではなく「範囲」を比べる
インスタ運用代行の費用は、公開されている相場を並べると月3万円から100万円まで開きます。この差は品質の上下ではなく、どこからどこまでを引き受けるかの差です。
この開きは、高いほうが上等で安いほうが粗い、という話ではありません。そのため、複数社の見積を金額順に並べても選べません。先に範囲を揃えてから、金額を比べます。 この記事は、その揃え方だけを書きます。
公開されている相場の一覧
まず、相場そのものを出典つきで置きます。
| 形態 | 相場(月額) |
|---|---|
| 運用代行(一括委託) | 月30万〜50万円 |
| 運用代行(企業向け一般) | 月10万〜100万円 |
| 特定業務のみ委託 | 月5万〜10万円 |
| フリーランスへの依頼 | 月3万〜5万円 |
出典:SNS運用代行の相場を扱う公開記事4本を、2026年8月時点で確認して整理しました(アスピック/re-v/grop/influfect)。各社の実際の見積は条件で変わります。
この表を読むときの注意が2つあります。
① 金額の範囲が重なっています。 「特定業務のみ委託(月5万〜10万円)」と「フリーランス(月3万〜5万円)」は接していますし、「企業向け一般(月10万〜100万円)」は一括委託の帯をまるごと含みます。形態の名前と金額は1対1で対応していません。 「うちは代行だから月30万円が妥当」という読み方はできません。
② 初期費用の相場は載せていません。 初期費用については、相場と呼べる出典を確認できませんでした。当社が確認できなかったという事実だけを書きます。 金額の目安は出せないので、後述する確認質問で1社ずつ聞いてください。
幅が大きいのは、値段の差ではなく範囲の差
同じ「月30万円」でも、含まれる工程が違えば比較になりません。 見積書に書かれているのは金額と月額プラン名だけで、範囲は書かれていないことがあります。
SNS運用は、次のように工程に分かれています。この表を印刷して、検討中の会社ごとに「含む/含まない」を埋めてください。
| 工程 | A社 | B社 | 自社に残る場合の担当 |
|---|---|---|---|
| ネタ探し・企画立案 | |||
| 構成・カット割りの設計 | |||
| セリフ・テロップの執筆(台本) | |||
| 撮影 | |||
| 編集(カット・テロップ入れ) | |||
| キャプション・ハッシュタグ | |||
| 投稿作業 | |||
| 数字の振り返り・次への反映 | |||
| 月の本数 | 本 | 本 | 本 |
埋めてみると、同じ価格帯の2社で埋まる行の数が違うことがあります。そこが価格差の正体です。空欄の工程は消えたのではなく、自社に残っています。
見積を比べる前に揃える3点
揃えるのは3点だけです。月何本か、撮影を含むか、企画は誰がやるか。 この3つが揃うと、あとは金額を並べるだけで判断できます。
| 揃える点 | 揃えないと起きること |
|---|---|
| ① 月何本か | 本数の定義が違う2社を、月額だけで比べてしまう |
| ② 撮影を含むか | 撮影ありの見積と撮影なしの見積を並べ、安いほうを選んで撮る人がいないと気づく |
| ③ 企画は誰がやるか | 「安く外注できた」のに、担当者の作業時間が減らない |
① 月何本か——「本」の数え方まで聞く
本数は必ず「何を1本と数えるか」まで確認してください。 リール・フィード投稿・ストーリーズを合算した本数なのか、動画だけの本数なのかで、実際に作られる量が変わります。
あわせて確認する項目は3つです。
- 繰り越しはあるか(使わなかった分が翌月に回るか、消えるか)
- 本数のリセットはいつか(毎月1日か、契約日か)
- 本数を増やしたいときの追加料金(1本いくらか、そもそも増やせるか)
② 撮影を含むか
撮影を含む見積と含まない見積は、そもそも別の商品です。 含む場合は、次の3つを聞いてください。
- 撮影は月に何回か(まとめ撮りか、都度か)
- 交通費・出張費は月額に含まれるか
- 撮るのは誰か(事業者本人が出るのか、モデルや素材を使うのか)
出演者は、金額とは別に決めておく項目です。 事業者本人が出るのか、モデルや既製の素材を使うのかで、アカウントの見え方は変わります。ここを決めないまま安さだけで選ぶと、契約後に変更できないことがあります。
③ 企画は誰がやるか
この行が、いちばん見落とされます。 「投稿代行」「アカウント運用」と書かれていても、何を投稿するかを自社で決める契約であることがあります。その場合、外注しても工数は減っていません。
聞き方は次のとおりです。
- 今月の投稿内容は、誰が決めますか(自社が案を出すのか、提案が来るのか)
- 提案が来る場合、何を根拠に決めていますか(担当者の経験か、データか)
- 台本やテロップの文言は、どちらが書きますか
3つ目まで聞くと、範囲がはっきりします。「撮って編集して投稿する」だけの契約なら、それは制作の外注であって運用の外注ではありません。
揃えたら、1本あたりの単価に直す
3点を揃えたら、月額を本数で割ります。 これで初めて、形態の違う相手を横に並べられます。
1本あたりの単価 = 月額 ÷ 月に作る本数
内製と比べるときは、次の式を使います(人件費は請求書が来ないので、意識しないと見えません)。
内製の1本あたり = 1本にかかる合計時間 × 担当者の時間単価
そのまま埋められる形にしました。
| A社 | B社 | 内製 | |
|---|---|---|---|
| 月額 | 円 | 円 | 人件費 |
| 月の本数 | 本 | 本 | 本 |
| 1本あたり | 円 | 円 | 円 |
| 企画は誰が | 自社 | ||
| 撮影は誰が | 自社 | ||
| 数字の振り返りは誰が | 自社 |
単価が同じなら、下の3行で決めます。 金額が並んだあとに残る違いは、範囲だけです。
「企画は誰が」を軽く見ないほうがいい理由
投稿の結果は、同じアカウント・同じ人・同じ商材でも大きく割れます。 当社がリールを全件分析したときの数字を出します。
調査の内容
- 調査対象:10アカウントのリール292本(期間内の全件。抜き取りではありません)
- 判定方法:アカウント内の再生数の中央値との比。2.5倍以上を伸び、0.4倍以下を沈み、あいだは判定しない
- 判定結果:伸び49本(17%)/中間211本(72%)/沈み32本(11%)
- 分かったこと:同一アカウント内で最大245倍の開き(中央値の45.7倍〜0.19倍)。開きの中央値は57倍で、10アカウント中9アカウントで10倍を超えました
- 別軸:Instagramアカウント1,314件・16,752投稿を収集し、うち619投稿を勝ち負けラベル付きで分析しています
- 取得できない指標:保存数・プロフィール遷移・DM・予約は公開情報として取得できないため対象外
同じ人が出した投稿のあいだで245倍開いた、というのがこの分析の要点です。同じアカウント・同じ人・同じ商材のなかでの比較なので、差を生んでいるのはアカウントの力ではなく、1本ごとの作り方だということになります。
ここから、費用の話に戻ります。1本ごとの作り方でここまで結果が割れるなら、その工程を誰がやるかは費用の判断に直結します。 企画を自社に残したまま制作だけを外に出した場合、この工程は手つかずで社内に残ります。単価の安さは、その工程を買っているかどうかとセットで見てください。
見積で必ず確認する5つの質問
そのまま送れる形にしました。 金額の前に、これを聞きます。
- 月何本ですか。その「1本」に何が含まれますか(リール・フィード・ストーリーズの内訳/繰り越しの有無/リセット日)
- 撮影は含まれますか(含む場合は月何回か・交通費の扱い・出演者)
- 企画と台本は誰が書きますか(自社の確認と修正はどの段階で入るか)
- 初期費用はいくらですか。最低利用期間と中途解約の条件はどうなっていますか
- 月次レポートは出ますか。中身のサンプルを見せてもらえますか
4は口頭ではなく書面で確認してください。 初期費用・最低利用期間・解約条件は、特定商取引法に基づく表記のページと利用規約に書かれています。紹介ページの説明文と、これらの記載が食い違っていることがあります。 見つけたら、契約前にどちらが正しいかを書面で確かめてください。相場表に初期費用を載せていないのは、公開されている相場の出典を確認できなかったからです。
5は「出るか」だけでなく中身まで見てください。 数字が並ぶだけで「次に何をするか」が書かれていないレポートは、読む時間の分だけ損になります。
参考:OMU(オム)の条件
見積の読み方を書いた以上、当社が提供しているOMUの条件も同じ粒度で出しておきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額 | 39,800円(税込) |
| 初期費用 | 220,000円(税込) |
| 最低利用期間 | 3ヶ月 |
| 本数 | 月20本まで(繰り越しなし・契約日起点でリセット) |
| オプション課金 | なし |
| 企画・構成・台本・絵コンテ | 当社 |
| 撮影・投稿 | ご本人 |
| 納期 | リクエストから翌営業日までに専用ページへお届け |
OMUは運用代行ではありません。 撮影と投稿はご本人にやっていただく形なので、上の相場表と直接は比べられません。比べるなら「1本あたりの単価」と「企画は誰がやるか」の行で比べてください。
安い見積を選んだときに、戻ってくるもの
安い価格帯は、品質が低いのではなく範囲が狭いという意味です。 範囲の外に出た工程は、消えずに自社へ戻ります。
| 外に出した範囲 | 自社に残るもの |
|---|---|
| 投稿作業だけ | 企画・台本・撮影・編集・振り返り |
| 編集だけ | 企画・台本・撮影・投稿・振り返り |
| 企画・台本・振り返り | 撮影・投稿 |
「安く外注したのに、担当者の時間が減らない」という相談は、たいてい1行目か2行目です。 減らしたい工数がどれなのかを先に決めてから、範囲を選んでください。
なお、価格帯を上げれば成果が出る、という関係は当社では確認できていません。当社も、来店数や売上を約束することはしません。 約束できるのは、投稿が止まらない状態を作るところまでです。
まとめ
- 相場は月3万円〜100万円。幅は品質差ではなく範囲の差(出典=公開記事4本・2026年8月時点で確認)
- 形態の名前と金額は1対1で対応していない。金額帯は重なっている
- 初期費用の相場は、裏の取れる出典を確認できなかったので載せない。 1社ずつ書面で聞く
- 比較の前に揃えるのは3点=月何本か/撮影を含むか/企画は誰がやるか
- 「本」の数え方・繰り越し・リセット日まで聞かないと、本数は揃わない
- 揃えたら1本あたりの単価に直す。単価が並んだら、残る違いは範囲だけ
- 同一アカウント内で最大245倍の開きが出た。差を生むのは1本ごとの作り方。その工程を買っているかで見る
- 安い見積を選ぶと、外に出さなかった工程が自社に戻る。 減らしたい工数を先に決める